エコキュートは環境に配慮した省エネ性能の高い給湯器として、多くの家庭で利用されています。停電や断水といった災害時のインフラ障害が発生した際に、どのように対応すればよいのかを知っておくことが重要です。この記事では、エコキュートの災害対応能力と停電・断水時の対応、さらに修理目安について詳しく解説します。
エコキュートの災害耐性
エコキュートは、災害に対して一定の耐久性をもっていますが、完全に災害に強いわけではありません。とくに地震や台風などの自然災害が発生した際には、その影響を受ける可能性があります。
地震が発生した場合
エコキュートの本体が揺れにより転倒したり、固定している配管が外れたりすることがあります。エコキュートは大きくて重い機器ですが、設置場所がしっかりと固定されていないと、強い揺れによって傾いたり倒れたりするリスクがあるため、設置時の安全対策が非常に重要です。
台風や大雨による水害の場合
エコキュートのヒートポンプユニットが浸水すると故障の原因になります。通常、屋外に設置されていることが多いため、設置場所が低い場合や水はけの悪い場所にあると、浸水リスクが高まります。
そのため、エコキュートを設置する際には、水害リスクを考慮した場所を選ぶことが大切です。定期的に設置場所の周囲をチェックし、排水口が詰まっていないか確認することで、水害のリスクを減らせます。
停電の場合エコキュートはどうなる?
エコキュートは電気を使ってお湯を作るため、停電が発生すると通常の運転ができなくなります。
新たなお湯は作れないが貯水分は活用可能
エコキュートは基本的に夜間に電気を使用してお湯を沸かし、貯湯タンクにためておく仕組みです。停電が発生すると、新たなお湯を作ることはできませんが、貯湯タンク内にすでにお湯が溜まっていれば、それを使用可能です。
タンク内のお湯の量や温度次第では、停電中でも一定期間お湯を使い続けられるのです。しかし、停電が長引くと、貯湯タンク内のお湯の温度が徐々に下がり、使用できるお湯の量も限られてきます。
停電時の対策
停電時には、できるだけお湯の使用を控え、必要最低限の利用にとどめることが大切です。また、電力が復旧した際には、エコキュート本体が自動的に再起動する場合もありますが、機器に異常がないかを確認し、必要に応じてリセット操作をおこなうことが推奨されます。
停電時に備えて予備電源を用意しておくことも検討できます。たとえば、家庭用の蓄電池システムや発電機を利用すれば、停電中でも一定の電力を確保し、エコキュートの稼働を維持できる場合があります。ただし、これらの設備を導入する場合は、専門業者に相談し、正しく設置・運用することが大切です。
断水時のエコキュートの対応
断水が発生した場合も、エコキュートはその影響を受けます。エコキュートは給水が必要な機器であるため、断水中に新たにお湯を作れません。しかし、停電時と同様に、貯湯タンク内に既に溜まっているお湯は使用することが可能です。
断水中でも、タンク内にあるお湯を使うことで一定期間は給湯が可能ですが、こちらも限られた資源ですので、節約して使用することが重要です。
また、断水が解消した後は、再度エコキュートに水が供給されることになりますが、この際に注意が必要です。断水から復旧した直後は、配管内に空気が混入している場合があり、エコキュートの正常な動作を妨げる可能性があります。
そのため、断水復旧後にエコキュートを再稼働させる際には、説明書に従って空気抜きの操作をおこない、配管内の空気を排出してから使用を再開することが推奨されます。これを怠ると、機器に負荷がかかり、故障の原因となる可能性があります。
エコキュートの災害後の修理目安と対策
災害後にエコキュートが故障した場合、修理が必要となることがありますが、修理の目安や対処法を知っておくことが大切です。
ダメージの程度で修理内容は異なる
まず、地震や台風などの自然災害が原因でエコキュートが故障した場合、機器の外観だけでなく、内部の配管や電気系統にもダメージが及んでいることが多いため、専門業者による点検が必要です。
とくに地震による基礎部分の損傷や、台風による浸水被害があった場合は、早急に業者に連絡して点検と修理を依頼することが推奨されます。
修理期間の目安
軽微な故障であれば数時間から1日程度で修理が完了することが多いですが、大規模な損傷がある場合や、部品交換が必要な場合には、数日から1週間以上かかることもあります。
とくに、災害発生直後は多くの家庭で修理依頼が集中するため、修理に時間がかかる可能性が高くなります。できるだけ早めに業者に連絡し、修理の予約を取ることが重要です。
エコキュート修理には保険の適用も検討すべき
災害時のエコキュートの修理費用に関しては、火災保険や地震保険が適用される場合があります。地震や台風などの自然災害が原因であれば、保険会社に連絡し、修理費用の一部または全額が補償されるかどうかを確認することが大切です。
保険金を請求する際には、業者による修理見積書や災害発生の証明書が必要になることがあるため、適切に書類を準備しておきましょう。
まとめ
エコキュートは環境に優れた給湯設備ですが、災害時には停電や断水による影響を受けることがあります。停電時には、貯湯タンク内に溜まったお湯を使用できるものの、長期間の停電ではお湯の節約が必要です。また、断水時にもタンク内のお湯が利用できますが、断水復旧後の再稼働には注意が必要です。災害後にエコキュートが故障した場合、修理が必要となることも多く、修理目安や保険の活用方法を事前に知っておくことで、迅速に対応できるでしょう。