エコキュートは、省エネ性能の高さや環境への配慮が魅力の給湯システムですが、一部では「設置後に後悔した」という声も耳にします。そこで本記事では、エコキュートの選び方で失敗しないためのポイントやメリットデメリットを解説します。エコキュートの特徴を正しく理解し、後悔のない快適な暮らしを手に入れましょう。
エコキュートをおすすめしないといわれる理由とは
エコキュートは、省エネ性や環境への配慮が評価される一方で、デメリットも指摘されています。導入を検討する際には、これらの側面を理解することが大切です。ここでは、エコキュートの導入で懸念されるポイントを具体的に解説します。
初期費用の負担が大きい
エコキュートの導入には、ほかの給湯器と比較して高額な初期費用が必要です。
一般的なガス給湯器の費用は、施工費込みで約15万円以内が相場とされていますが、エコキュートの場合、施工費を含めると35~60万円程度が一般的な費用となります。
これにより、導入時の経済的負担が大きく、予算が限られている家庭にはハードルが高いといえるでしょう。
使用状況によってはお湯不足の可能性も
エコキュートは夜間にお湯を沸かし、貯湯タンクにためて日中に使用する仕組みです。そのため、一度に大量のお湯を使用するとタンク内の湯量が不足し、お湯切れを起こす可能性があります。
一度お湯が切れると、再び沸き上がるまでに時間がかかるため、家族が多い家庭やお湯を大量に使うシーンでは不便に感じることがあるでしょう。
電気料金プランの変更が必要になる場合も
エコキュートの節電効果は、深夜電力の安い時間帯を活用して湯沸かしを行うことで得られます。そのため、電力会社の深夜電力プランに加入する必要があるケースが多いです。
このプラン変更が手間に感じる人や、既存プランのほうが適している家庭の場合にはデメリットとなることがあります。また、プラン変更にともない、ほかの家電の使用状況に影響を受ける可能性も考慮してください。
エコキュートを選ぶ魅力
省エネ性能や環境への配慮が注目されるエコキュートは、多くの家庭で採用されています。ここでは、エコキュートの主な魅力をみていきましょう。
光熱費の負担を大幅に軽減
エコキュートは、電力を活用した効率的な給湯システムのため、ガス給湯器と比較して光熱費を大幅に抑えられます。
一般的に、ガス給湯器の月額光熱費が約7,000円であるのに対し、エコキュートでは約3,000円まで削減できるといわれています。初期費用はガス給湯器より高いものの、長期的に使用すれば十分に費用対効果を実感できるでしょう。
災害時にも頼れる給湯システム
エコキュートは貯湯タンクにお湯をためる構造のため、災害時やライフラインのトラブル時におおいに役立ちます。
たとえば、断水が発生してもタンク内のお湯を非常用水として利用でき、生活の基本を支える重要な役割を果たします。停電時にも、一定量の使用が可能であり、万が一の緊急事態にも対応できる心強い設備です。
火災やガス漏れのリスクを軽減
エコキュートは電気を使ってお湯を沸かす仕組みのため、火を用いる必要がありません。これにより、火災のリスクが大幅に低減されるだけでなく、ガス漏れや一酸化炭素中毒といったトラブルの心配もなくなります。安全性を重視する家庭にとって、大きな安心感をもたらすことが特徴です。
国や自治体の補助金制度を活用可能
エコキュートは、環境にやさしい給湯器として国や自治体から補助金が出る場合があります。制度は地域や時期によって異なりますが、対象となれば導入費用の一部を軽減することが可能です。事前に自治体やメーカーの情報を確認し、賢く利用することでさらにコストパフォーマンスを向上させられます。
後悔しないエコキュートの選び方
エコキュートは多くのメリットをもつ給湯システムですが、自宅や生活スタイルに合ったものを選ばないと後悔する可能性があります。ここでは、エコキュート選びで失敗しないためのポイントをみていきましょう。
家族の人数に合ったタンク容量を選ぶ
エコキュートのタンク容量は、家族構成やお湯の使用量に応じて選ぶことが重要です。たとえば、2〜3人の家庭であれば約300リットル、4〜5人の家庭であれば約460リットルのタンクが目安です。
容量が不足するとお湯切れの原因になりますし、必要以上に大きなタンクを選ぶとコストが無駄になることもあります。日々の生活スタイルを考慮して、適切なサイズを選びましょう。
必要な機能に絞った機種を選ぶ
エコキュートには、さまざまな機能をもつ機種があり、選ぶ際には自分のライフスタイルに合ったものを検討する必要があります。たとえば「自動湯張り機能は不要」「浴室暖房が必要」など、具体的なニーズにもとづいて選ぶとよいでしょう。
機能が多くなるほど価格も上がるため、予算と照らし合わせて無理のない選択を心がけることが大切です。また、必要のない機能に費用をかけることを避けるため、事前にじっくり比較検討しましょう。
寿命やメンテナンスを考慮して選ぶ
エコキュートの寿命は通常10〜15年とされています。その間、メーカーが推奨するメンテナンスを定期的に行うことで長く使い続けられます。購入前に、点検の費用や頻度についても確認しておきましょう。
また、ほかの給湯器と比較して導入コストやランニングコストを考慮することも大切です。寿命を見越したうえで、トータルでどれだけコストパフォーマンスがよいかを判断することが、後悔しない選び方につながります。
まとめ
エコキュートには、初期費用の高さやお湯切れのリスクなどのデメリットが指摘される一方、光熱費の削減や災害時の備え、安全性の向上など、多くの魅力もあります。そのため、導入を検討する際には、メリットとデメリットをしっかりと理解し、家族構成やライフスタイルに合った製品を選ぶことが大切です。エコキュートの特徴を十分に把握し、ライフスタイルに最適な製品を選ぶことで、後悔のない選択が可能となるでしょう。