エコキュートの温度設定は、快適な暮らしと省エネを実現するためのカギです。適切な温度での設定は、日常生活の利便性を高めるだけではなく、長期的なコスト削減にもつながります。また、低い温度設定にはデメリットも存在します。今回は、エコキュートの最適な温度設定や設定温度が低すぎる場合の注意点について詳しく解説します。
エコキュートの温度設定について
エコキュートは、設定する沸き上げ温度によって電気代や快適さが大きく変わります。
では、そもそもエコキュートの沸き上げ温度とはどのようなものなのでしょうか。温度とコストの関係についても詳しく解説していきます。
沸き上げ温度とは
沸き上げ温度とは、エコキュートが水を温めてタンクに貯める際の設定温度を指します。
エコキュートはヒートポンプ技術を使って、外気の熱を利用して水を温めますが、その温度をどのくらいにするかが沸き上げ温度です。たとえば、60℃に設定すると、設定温度まで水を加熱し、タンク内に保存します。
沸き上げ温度とコストの関係
沸き上げ温度が高いと、多くのエネルギーを使うため電気代が増えます。
一方で、温度が低すぎるとお湯が足りなくなり、再度沸き上げが必要になるため、かえって電力を消費する面もあります。高い温度に設定するほうが、結果的にお得といえるでしょう。とくに夜間の安い電力を使ってお湯を作る場合、高い温度の設定が電気代を抑えるために効果的です。
また、家族の人数やお湯の使い方に応じて、日中に沸き上げを避ける設定にすると、さらにコストを削減できます。
温度設定は50℃〜60℃がおすすめ
温度設定は高めがよいとわかりましたが、実際に何度に設定すればよいのでしょうか。
季節にもよりますが、基本的には50℃〜60℃程度がエコキュートの最適な沸き上げ温度です。50℃〜60℃の温度設定がおすすめの理由について詳しくみていきましょう。
省エネになる
エコキュートはヒートポンプ技術を使い、エネルギーを効率的に利用してお湯を作ります。
配管がはやくあたたまるため、お湯の無駄遣いを防ぎます。50℃〜60℃が最も効率的に、無駄なエネルギーを消費せず十分な量のお湯を常に確保可能です。家庭全体のエネルギー使用量を削減できるため、結果として電気代の節約につながり、環境負荷の軽減にも寄与します。
衛生面が保たれる
エコキュートで作られたお湯は、タンク内に長時間保存されるため、衛生面に不安を感じる場合があるかもしれません。
50℃以上での設定により、タンク内の細菌やレジオネラ菌の繁殖を抑え、安心して使用できるお湯を供給します。家族が多い家庭では衛生面の管理が重要となるため、適切な温度設定が必要です。
とくに子どもや高齢者がいる家庭では、より衛生的な環境を保つためにも、50℃以上の設定がおすすめといえます。
使いやすい
給湯温度が50℃〜60℃の範囲であれば、シャワーや台所での使用に最適な温度が保たれます。
たとえば、冬場でも十分に温かいお湯がすぐに使えるため、寒い季節の洗い物やシャワーが快適です。また、温度を高くすると湯量が増えるため、シャワーの水圧が高くなるのもメリットです。
エコキュートの給湯温度を低く設定するとどうなる?
エコキュートの給湯温度は50℃〜60℃の設定が推奨されていますが、40℃以下にするとデメリットもあります。
エコキュートの給湯温度を低く設定すると日常生活やエコキュートにどのような影響をおよぼすのかみていきましょう。
快適さが損なわれる
低い温度設定では、シャワーや台所での使用時にお湯が十分に温まらず、快適さが低下します。
とくに冬場には、必要なお湯の温度を確保できない場合が多く、日常生活に支障がでる可能性があります。温度が低すぎると、使い切れないお湯が増えるため、無駄にエネルギーを消費する結果となる場合もあり注意が必要です。
快適で無駄のない生活を送るためには、適切な温度設定が不可欠です。
混合栓の故障につながる
混合栓は設定した温度のお湯を安定して供給するために、給湯温度が適切であることが前提です。
しかし、エコキュートの沸き上げ温度が40℃以下に設定されていると、混合栓が正しく機能せず、故障の原因となるケースがあります。温度が低すぎると、サーモスタット内のバルブや機構に負荷がかかり、長期的なトラブルが発生しやすくなるため注意が必要です。
まとめ
今回は、エコキュートの沸き上げ温度を高めに設定するメリットと、逆に低い場合に起こりうる事態について解説しました。エコキュートの温度設定は、快適な生活と電気代節約の重要なポイントです。50℃〜60℃の設定が、衛生面や使いやすさ、エネルギー効率の面で最適といえるでしょう。逆に、温度が低すぎると雑菌の増殖や機器の故障リスクが高まるため、日常的に沸き上げ温度や設定を確認し、適切な管理が大切です。また、エコキュートの温度を上げたのにお湯が温まっていない、低い温度で使い続けてしまったなど、異常を感じたら早めに修理業者に依頼するのが安心です。定期的なメンテナンスや適切な管理をして、長期にわたって快適で安全な生活を維持しましょう。